『建築して貸す:戸建貸家の選択』
〈家主のメリット⑥〉
戸建貸家の家主さんのメリットは
大切な要素も多いのです。
前回に続き、振り返りますと、
Vol.050〈戸建貸家の需要〉
Vol.051〈戸建貸家入居者メリット〉
Vol.052〈家主の悩みの解決〉
Vol.053〈家主のメリット①〉
『マンションに不向きな土地
こそ適しています』
Vol.054〈家主のメリット②〉
『投資額少なく収益性も高い』
Vol.055〈家主のメリット③〉
『安定経営ができる』
Vol.056〈家主のメリット④〉
『流動性が高く万一も安心』
Vol.057〈家主さんのメリット⑤〉
『各相続人が個人所有でき、遺産分割に
よる相続トラブルを回避しやすくなる』
とお話ししてきました。
前回に引き続きをお話します
戸建貸家の〈家主さんのメリット⑥〉
『所得分散を図ることができる』
土地所有者は、長男等の承継者が殆ど
の不動産を相続しており、土地活用
の収益が一人に集中していることが
多くあります。
所得税は超過累進税率の為、所得が
高くなるほど税負担が増加します。
この税負担を軽減するには、所得を
分散することが効果的です。
戸建貸家は一戸当たりの建築費が
低い為、配偶者や子が貸家を建築し
やすく、所得分散を図ることが
比較的容易に行うことができます。
例えば
土地は贈与税等の負担が生じない
ように父名義のままとします。
配偶者や子に建築資金がない場合は、
①建築資金を贈与する
②建築資金を貸し付ける
③建物そのものを贈与する
という3つの方法があります。
①建築費を贈与する場合
贈与を受けた配偶者や子は贈与税の
負担が発生しますので、年を分けて
贈与するなど、贈与額と贈与税には
注意をする必要があります。
②建築資金を貸し付ける場合
この場合金銭消費貸借契約書を作成
する必要があります。
概ね金融機関で融資を受けたと仮定して
金利や返済期間を設定することです。
ある時払いの催促なしでは、贈与と
みなされ可能性があります。
借入した配偶者や子は、毎月の
家賃収入から、父へ返済をきちんと
行う必要があります。
③建物そのものを贈与する場合
父が戸建貸家を建築したのち、
一定期間経過してから建物そのものを
贈与する方法もあります。
贈与税を算出するもととなる
相続税評価額は建築費に比べて
40%程度下がりますので、
少ない贈与税負担で建物そのものを
贈与することが可能です。
贈与後の収益は受贈者の所得にする
ことができます。なお、名義変更に
伴う登録免許税・不動産収得税の負担
も考慮に入れる必要があります。
この時に留意することは「土地の
貸借」に関する注意点です。
配偶者や子が、父の土地を借りて
賃貸経営をするなど、個人間の土地貸借
の場合には、地代は支払われず使用貸借
とされるのが一般的です。
地代を払うとその地代の額によっては
借地権の問題が生じますので、
避けた方がいいです。
但し使用貸借の場合、土地の固定資産税
は借主である建物所有者が負担すること
になっており、建物所有者の不動産所得
の計算上、経費に算入します。
戸建貸家のメリットは今回で終了します
次回は「戸建貸家のデメリット」に
ついてお話しします。