『土地を貸す:定期借地』〈デメリット〉
前回では定期借地に関するメリット
を述べてきましたが、デメリットも
お話いたします。
とりわけ定期借地事業のデメリットを、
『地主の視点』について述べてみます。
①土地利用が長期にわたり拘束されます
一般定期借地権なら50年以上もの期間、
土地利用が拘束され、更地に比べると
土地の処分もしにくいという
問題があります。
②住宅地では地代の水準が低い
住宅用地を戸建やマンションで活用した
場合の多額の地代収入は期待できません
事業リスクが少ない反面、収益面での
リターンも少ない事業でもあります。
事業用定期借地権で事業者に貸す場合は
事業者がその土地からあげる収益に
応じて地代水準が変動する場合も
ありますが、おおむね確実に住宅地
以上の収入が期待できます。
次に定期借地住宅のデメリットを
『借地人の視点』で述べてみます。
借地人のデメリットとしては、
①建物買取請求権がないため、
契約期間満了時に更地にして土地を
返還しなければなりません。
②土地が値上りしてもその利益を
得ることができません。
③将来の地代改定の心配も残ります。
④中古で売却ができるか心配があります。
前回まで述べてきたメリットと
今回のようなデメリットを勘案しながら
この制度は今後に期待されています。
次回にこの点についてお話をします。