『土地を貸す:定期借地』〈借地人メリット③〉
前回に続き借地人のメリットを
述べていきます。
⑤住宅分譲地を魅力的で良質にします。
戸建の定期借地分譲は広い敷地で
供給されることから、一般的な
所有権戸建住宅よりはるかに緑豊かな
庭のある良好な住環境が形成されます。
定期借地住宅の魅力には、
購入時の価格の安さだけでなく、
ゆったりとして美しい住環境で
居住できる点も大きな魅力です。
ランドプランニングにも工夫がされ、
土地利用計画には住民全員が利用できる
共有地空間としてコモンスペースを
設置しています。
宅地と共有地の維持管理については、
管理主体とその費用負担を明確にした
住民協定などのタウンマネジメント手法
を導入されています。
住環境とともに地域コミュニティ-の
継続的な維持についても工夫された
計画が数多くなされています。
⑥ 旧法借地制度と異なり更新料など
の煩わしさがありません。
旧法の借地制度は、正当事由制度と
法定更新制度により借地人にたいへん
優位な制度となっていました。
そして旧法では土地の返還をしなくて
良い反面、借地契約を継続する上では
極めて煩わしい更新料や各種承諾料の
支払いが必要となります。
これがしばしば双方のトラブルの
原因になっていました。
定期借地制度は、建替え承諾料、借地権
の譲渡承諾料などを一切不要とする
運用が定着しているので、安心して
借りることができるのです。
このように地主だけでなく、借地人にも
メリットが多い定期借地制度は事業借地
としても数多く活用されています。
定期借地はメリットだけではなく、
デメリットもあります。この点を
次回に述べていきます。