『土地を貸す:定期借地』
〈土地神話の崩壊〉
記憶にも新しい土地神話の崩壊が起こり
「土地は所有から利用へ」
入って行きました。
地価は戦後一貫して右肩上りで上昇し、
それも経済成長率をはるかに超える
上昇をしたことから、土地は確実に
値上り益を生み、資産形成の大きな
手段となったため、「土地神話」と
呼ばれることとなりました。
昭和58年頃から地価が急上昇する
バブルが起き、地価は平成2年をピーク
に下落を始めていましたが、平成5年
当時の所有権住宅価格は、サラリーマン
の平均年収の5倍をはるかに
超えていました。
所有権分譲価格を下げるために、
宅地の狭小化と住宅地の遠隔地化が
進行した時代でもありました。
「バブル崩壊」とともに土地神話も
崩壊し、このようなタイミングに
定期借地権が登場したのは、
土地の「所有」に代わる
「利用権(定期借地)」による
住宅取得モデルを生み、
新しい時代にふさわしい選択として
迎えられることになりました。
平成13年の「土地白書」は、
国民の意識の中で「土地神話」が
崩壊していることをはっきりと
示しています。
土地が預貯金や株式に比べて有利な
資産とは思わない(38.8%)が、
そう思う(34.2%)を初めて上回った
のでした。
その後も地価の下落は継続し、
土地の資産としての有利性を肯定する
割合は確実に減少していきました。
「所有から利用」へと土地に関する
価値観に大きな転換が進んでいることは
土地を利用する定期借地権が普及する
大きなバックボーンになっています。
定期借地権の種類について、
次回からお話しします。