『建築して貸す:戸建貸家の選択』
〈入居者のデメリット〉
戸建貸家のメリットを前回まで述べて
きましたが、戸建賃貸の入居者
デメリットも確認します。
①近所付き合いがマンション
よりも必要になってくる。
マンションだと隣人と話す機会は
ほとんどないことも多いです。しかし、
一戸建てに住むと町内会や
ゴミ収集所の掃除、回覧板など
コミュケーションが必要となる
場面が増えます。しかし、これを
メリットと考えることもできます。
②管理費はないが補修費用は
実費になる。
庭の手入れはもちろん、ガスや電気、
水道に不具合が出た時など自分で
対応しなければなりません。
③防犯意識を高めないといけない。
マンションのようにオートロックでは
ないですし、他の住人が出入りしている
マンションに比べて戸締まりなどは
しっかりと行わなければなりません。
④掃除や管理が大変になる。
廊下や階段、庭やガレージがあるだけで
掃除するだけでも大変です。
また、それらに付属する電灯などの
管理も含まれます。
⑤都心部の物件だと高層ビルに
囲まれている。
せっかくの一戸建てですが、開発が
進んでいる地区だと周りに大きなビルが
あり、日当たりが悪いこともあります。
ネットで検索した物件でも、
かならず下見はした方がいいです。
⑥害虫も住みやすくなる。
マンションでも築年数が経てばそれなり
に害虫は増えますが、一戸建ての場合、
庭があればそこからいろんな害虫が
侵入してきやすくなります。
⑦物件が圧倒的に少ない。
大家さんにとってはひとつの土地に
1世帯しか貸すことのできない戸建賃貸
よりも、アパートやマンションのような
複合住宅を建てるほうが利益につながる
ので、わざわざ戸建賃貸のために
建てようとする人は少ないです。
ですが、わけあって引っ越しするが
土地は手放したくない。けれども
アパートなど建てなおしてまで
管理することもしたくない、
このような大家さんも昨今では
増えてきているようです。
⑧定期借家物件(期限付き)が多い。
定期借家契約1年~5年などの場合、
法人契約が出来ない場合が多いです。
良い物件に限って期限付きだったり
しますので、その辺しっかりご確認を。
⑨駅まで徒歩圏内の物件が少ない。
駅からバスに乗って住宅地って感じの
地域が多いです。坂道が多い場所などは
徒歩10分~15分くらいまでで探す
ことをお薦めします。
⑩個人または素人オーナーが多い。
入居前のリフォームの状態や、
入居後の対応など、オーナーさんが
素人の場合が多いので、慣れないオーナー
になると対応が悪い場合があります。
管理会社などが管理をしていれば
まだ安心ですが・・・。
ですからどういうオーナーさんかは
聞いておくほうが良いです。
デメリットの多くは、入居者の方が戸建
を所有すれば、同じようなことが必要に
なりますので、ご理解がいただける
範囲かもしれませんね。